徳島大学精神科では、認知症の新薬であるレカネマブ(レケンビ®)の取り扱いを2024年4月から開始しました。レケンビ®はアルツハイマー型認知症の人の脳に蓄積されている「アミロイドβ(ベータ)」というタンパク質を減らす効果があり、これまでにない画期的な薬として注目されています。<参考;厚生労働省「認知症施策:アルツハイマー病の新しい治療薬について」>
レケンビ®は認知症の進行を遅らせるための薬です。認知症の進行を止めたり、認知機能を改善させるものではありません。

対象

軽度認知障害(症状はあるが日常生活に大きな異常を来さない状態)
もしくは早期のアルツハイマー型認知症

内容

体重に応じて薬の量を決定し、2週間に1回の点滴を行う

費用

ひと月あたり約33万円(目安。薬の量などで増減します)
※ここから公的保険が適応されますので、3割負担の方であれば自己負担はひと月あたり11万円程度になります。さらに、高額療養費制度を利用することで、70歳以上の一般所得層(年収156万~370万円)では年間で15万円程度になる見通しです。

治療の流れ

当科での治療にあたっては、まず、かかりつけ医からの紹介が必要になります。かかりつけ医から紹介を頂いた後に、当院で必要な検査を一式行い、治療の対象になるかどうかを厚生労働省のプロトコルに基づいて判定します。<参考;厚生労働省レカネマブ(レケンビⓇ点滴静注)について、一般の方向け> 必ずしも希望された全員が受けられる治療ではないことをご理解下さい。
レケンビ®治療の基準を満たすと、治療導入となります。2週間に1回の頻度で外来で点滴を行います。点滴は一回につき1時間半程度必要です。
レケンビ®には脳浮腫や脳出血の副作用が報告されており、治療開始後も定期的な頭部MRIの実施が必要です。注射の際に頭痛、悪寒、発熱、吐き気が現れることがあります。また、抗血小板薬(血液をサラサラにする薬)との併用には注意が必要です。

徳島大学病院 精神科神経科

電話番号 088-633-7128 (火曜午後は休診)
FAX 088-633-7480