2022年より、当院でrTMSが導入されました。各精神科連携医療機関にかかりつけておられる患者さんで、rTMSの適応となる方がおられましたらご紹介をお願いいたします。
当院HP内にも、患者さん向けに詳しい説明を行ったページを設けております。(rTMS:患者向けページ)
適応について
当院のrTMS治療は日本精神神経学会が定める「rTMS適正使用指針」に従って行います。適正使用指針には適応患者が以下のように記載されています。
「既存の抗うつ薬による十分な薬物療法によっても、期待される治療効果が認められない中等症以上の成人(18 歳以上)のうつ病。
ここで抗うつ薬による十分な薬物療法とは、1 剤以上の抗うつ薬の至適用量を十分な期間投与したことがあることを指す。ただし、忍容性(注 1)の問題により抗うつ薬による十分な薬物療法が行えない場合は、本治療の適応となりうる。
気分障害の中でも、双極性感情障害、軽症うつ病エピソードや持続性気分障害に対する rTMS 療法の適応はない。
精神病症状をともなう重症うつ病エピソードや切迫した希死念慮を認める場合にも rTMS 療法の適応はなく、電気けいれん療法などが推奨される。
(注 1)副作用のためではなく、抗うつ薬に対する抵抗感などから、患者本人が薬物療法を希望しない場合は忍容性の問題には含めない。」
https://www.jspn.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=34より引用
rTMSは急性期治療として用います
rTMS 療法は、現時点では維持療法や予防に関する有効性のエビデンスはないとされています。
禁忌について
絶対禁忌
刺激部位に近接する金属(人工内耳、磁性体クリップ、深部脳刺激・迷走神経刺激などの刺激装置)
心臓ペースメーカーを有する患者
相対禁忌
刺激部位に近接しない金属(体内埋設型の投薬ポンプなど)、頭蓋内のチタン製品、あるいは磁力装着する義歯・インプラントを有する患者
てんかん・けいれん発作の既往
けいれん発作のリスクのある頭蓋内病変
けいれん発作の閾値を低下させる薬物(三環系抗うつ薬、マプロチリン、テオフィリン、メチルフェニデート、ケタミン、クロザピン、ゾテピンなど)の服用
アルコール・カフェイン・覚せい剤の乱用・離脱時
妊娠中
重篤な身体疾患を合併する場合 など
FAX予約について
rTMS用の初診予約は精神科および心療内科のかかりつけ医からのFAX予約のみとなっております。
精神科および心療内科以外のかかりつけ医からのrTMS療法目的の御紹介は、適応の判断が難しく、退院後のフォローアップをお願いできないことからお引き受けしておりません。(rTMS以外の治療につきましては、診療科を問わずにFAX紹介を受け付けておりますので、お含みおきください。)
1.FAX予約用紙
様式は下記のリンクから入手してください。
不明な点がございましたら当科外来に電話いただき、「TMSについての問い合わせです」とお伝え下さい。
現在当院では患者自身・患者家族からの直接のお問い合わせには対応しておりませんのでご了承下さい。
https://www.tokushima-hosp.jp/medical/forms.html 徳島大学病院:FAX予約票等各種様式
2.診療情報提供書
以下の項目をお教えください。
- 今回のうつ病エピソードで用いた抗うつ薬の用量と期間と効果(部分反応か無効か)
- 今回のうつ病エピソードで用いた増強療法があれば、その用量と期間と効果(部分反応か無効か)
- これまでのうつ病エピソードで用いた抗うつ薬の忍容性に問題があれば、その詳細
以下の項目はrTMSの適応となりません。ご確認ください。
- 18歳未満
- 現在、軽症うつ病エピソードである
- 躁病エピソードや軽躁病エピソードがこれまでにあった
3.rTMS用の適応確認用紙 (ダウンロードはこちら)
二枚目が医療機関様用の適応確認用紙です。患者さん・ご家族向けには一枚目をご使用ください。本用紙はFAX予約の際に必須ではありませんが、添付頂けますとありがたいです。各医療機関様で適応のチェックの際にご利用いただいても結構です。
初診後について
当院医師の診察・適応確認を経て、入院待機となります。
紹介状をお持ちいただいても、場合によってrTMS治療の適応外と判断させていただく場合がございますので、ご理解の程お願い致します。
治療後について
入院によるrTMS治療が終了しましたら、医療連携の観点からもかかりつけ医での治療継続をお願い致します。
徳島大学病院 精神科神経科 外来
※rTMS治療決定前の問い合わせはかかりつけ医からのみ受け付けております
電話番号 088-633-7128