1)初期の全般的精神医学臨床研修
精神科診療に必要な全般的な知識と技能を身につけることが目標となります。精神科医は、心理、身体および行動面に現れる精神疾患の症状を 的確にとらえ、その成因を適切に判断し、最善の治療方針を樹立しなければなりません。そのために必要な精神医学的な診察法、診断法および 治療法に関する知識と技能を習得します。
- 1年目・・・大学病院
- 先輩医師と一緒に2人で入院患者さんの診察と治療を担当します。先輩医師のサポート体制もしっかり整っているため、安心して診療に取り組めます。 カンファレンス、症例検討会、クルズス(図)、勉強会なども定期的に行われるため様々な知識を吸収することができます。 外来では初診患者さんの初診をとり、夏ごろからは自分ひとりで外来診療も行います。
- 2年目〜3年目・・・市中病院
- 四国内の関連病院勤務。指定医取得に必要な症例を経験できる病院に勤務します(図)。 一人で患者さんを担当することになりますが、臨床で困った時には医学的、精神的にもサポートしてくれる環境が整っているので安心です。 措置入院を受け入れている病院で勤務する期間があるため、指定医取得に必要な症例の経験はおおむね3年目までに積むことができます。
特定精神指定医について
精神科医に認定される、精神保健福祉法第18条に基づく資格です。精神科医の実務の中には指定医でなければ出来ないものが含まれ、 精神科病院には定められた数の指定医が必要になります。診療保険点数が指定医かどうかで異なるものもあります。この資格を取得するには、 精神科3年以上を含む5年以上の臨床経験を有する医師が講習を受けた上で、措置入院を含む統合失調症3例、気分障害、中毒性精神障害、 児童思春期症例、老年期精神障害、器質性精神障害各1例の、計8例のレポートを提出することが求められます。 精神科医の初期の到達目標といえます。
※指定医取得に必須である措置入院の症例を全員が経験できるように勤務先なども配慮してくれるため 早期に必要症例を経験することができます
2)専門分野の研修と研究
精神医学は児童から老人までの幅広い疾患を対象とし、生物学的要因が大きいものから心理社会的要因の大きいものまでと成因も様々です。 このため、治療も疾患の特性や患者によって薬物療法、心理療法や社会的治療法を行います。研究方法としては薬理学、生化学、分子生物学、 電気生理学、画像形態学などの他科と共通のものから、社会学的なものや異常心理学的なものまで多様な手法が必要となります。3年目ないし 4年目以降は全般的な臨床研修を継続しながらも、専門性を追求する時期となるでしょう。専門分野を選んで研修と研究を開始し、 卒後6〜10年目をめどに学位取得を目指すことをすすめます。大学病院での研修が基本となりますが、この貴重な期間には、 それぞれの希望に配慮して配属先を決めます。学内基礎講座における研究、国内外他施設留学あるいは地域基幹施設での研修など 個人の興味志向に応じフレキシブルに考えます。成長は人それぞれです。迷ったときはいつでも相談してください。
卒後の専門医研修
卒後1〜2年 | 初期臨床研修2年間 |
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卒後3年目 | 入局・大学病院で研修 |
4〜5年目 | 市中精神科病院 |
卒後5〜10年 |
臨床研修継続 指定医、専門医、専門分野 大学院、留学 |
卒後4〜5年目 関連研修施設
国公立総合病院精神科
- 徳島県立中央病院
- 高松市立みんなの病院
- 国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター
公立精神科病院
- 香川県立 丸亀病院
私立精神科病院
- 藍里病院
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