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徳島大学精神科について
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児童青年期症例

児童青年期にみられる精神疾患

はじめに

子どもは社会の中で時間をかけて発達していきます。産まれてから、お乳を探し当て、鈴の音に反応し、ほほ笑み、親の真似をし、友人を作り、競争を覚え、彼氏や彼女のことを想い、自分はどこに行くのだろうかと悩みながら大人になっていきます。 運動機能や周囲への反応性、対人および社会的行動といった様々な部分で成長を続けるのですが、期待される発達が得られない場合に、しばしば精神医学的問題が現れてきます。 このため子どもの精神医学的評価は、顕在している症状以外に発達の程度、周りの環境がどのくらい機能しているかなどを包括的に行う必要があります。 しかし、子どものこころを専門にする医師は数が少なく、高まり続ける需要に対して、児童青年期精神医学を専門とする医師の育成が私たちの指命の一つと考えています。 2011年には徳島市で日本児童青年精神医学会を開催しました。会場に集まった熱意が徳島に根付き、さらに豊かな実を結ぶよう努めています。

・主な対象疾患
  • -発達障害(精神遅滞、自閉症、注意欠陥多動性障害)
  • -神経症性障害(摂食障害、強迫性障害など)
  • -感情障害
  • -統合失調症
  • -家庭もしくは学校生活における諸問題(不登校、虐待、家庭機能不全など)
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自閉症と広汎性発達障害

広汎性発達障害とは脳神経の変化を基盤にしていると考えられている精神疾患です。多くは3歳頃までに明らかになります。 広汎性発達障害のなかで最も多い自閉症は、特徴的な行動パターンで診断されます。活動や興味が限局していること、意思伝達がうまくできないこと、感情の交流がうまくできないことといった特徴です。 このような特徴を持つ子ども達が同じ経過をとるわけではありません。 知的機能が比較的高い群では、言葉の障害が少なく、成長につれて社会機能が改善していく場合もあります。
自閉症の核となる症状を特異的に改善する治療法はありません。社会的に許容されるような行動を促進し、問題視されるような行動を減少させることが治療目標となります。 当科では、診断と評価を行い、必要があれば、薬物療法や行動の学習を行う治療を行っています。

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注意欠陥多動性障害(注意欠如多動症、AD/HD)

注意がそれやすかったり、同じ年の子どもよりもひどく落ち着きがなかったりという行動が特徴です。小学校や家庭で穏やかに過ごすことができないために学業や友人関係、自尊心に障害をもたらす程になると、治療が必要となります。
衝動を自分で制御することを覚えるために、親や学校の先生に対応を工夫してもらうことが最初に行われます。それだけでは解決できないときに薬物療法が有効な場合があります。 薬物療法で注意が改善すると、これまで、あまり効果の無かった生活指導や環境整備が効果をあらわすこともあります。当科では外来治療を中心に多方面のアプローチで児の発達をサポートしています。

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摂食障害

体重・体型や食事の量・内容にこだわり、食事をとろうとしなくなったり、反対にたくさん食べてしまったりと食事を制御できなくなる障害です。 体型が気になる思春期の女児に多くみられ、近年患者数は増加しています。
極度の低栄養は生命の危険を伴います。入院治療が必要になる症例では、栄養サポートチームの協力のもと身体管理を行い、再栄養に伴う合併症(リフィーディング症候群)の発生を抑えています。 再栄養と並行し、自分らしい生活を取り戻すことを目標にして、薬物療法や精神療法を行います。当院では、ロンドンのモーズレイ病院において長年用いられてきた認知行動療法を基にしたアプローチを参考にしています。 日本の患者さんに向く方法を探しながら、回復へ向かうサポートをしています。

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